10 クローバーフィールド レーンを観ました。
(今回の記事は、10 クローバーフィールド・レーンを見た直後に書いてから、ずっと下書きのまま放置していたのですが、クローバーフィールドシリーズの新作「クローバーフィールド・パラドックス」が本日ゲリラ的にNetflixで配信開始したのを記念して公開しました。時系列的に言い回しが時々おかしいかもしれませんが、ご愛嬌ということで。)
続編ではないとのことですが、タイトルとプロデューサー的にどう考えても繋がりがある「クローバーフィールド/HAKAISHA」も、当時(2008年)劇場で観ていて、続きが気になる終わり方だったため、今回の映画は期待していました。
閉鎖空間に男女というシチュエーション的にエロ要素がありそうな感じだけど全く無かったり、途中で人が死んで処理される際にどう考えても激グロだけど描写はほとんどされなかったり、
エログロ苦手でも視聴は問題ないと思います。
いろいろ気になる点があったので、ネットで考察でも落ちてないかと検索してみましたが、(当時は)ストーリーのネタバレを書いてあるだけのページくらいしか見つからなかったので、自分で情報の整理をしてみます。
内容を知らずに観たほうが楽しめる映画だと思うので、観ようと思っている方は是非映画館で。
ただ前作のクローバーフィールド/HAKAISHAを全く知らないと、トンデモ映画にも見えちゃうかもしれません(実際トンデモ映画ですが)。
次に何が起こるかハラハラする、スリルが楽しめるいい映画だと思います。
以下、ネタバレ。
(ほぼ映画を見ただけの勝手な解釈なので、ツッコミは自由ですが話半分でご覧ください)
まず、今回の『10 クローバーフィールド レーン』(以下、今作)を語るに辺り、忘れてならないのは2008年公開の『クローバーフィールド/HAKAISHA』(以下、前作)です。
前作のザッとおさらい。
クローバーフィールド/HAKAISHA
映像の特徴
前作で最も特徴的な点は、始まりから終わりまで一貫して、小型のビデオカメラで撮られていること。(という設定)
実際に、俳優が手に持って走ったりするので画面はブレブレで、劇場でも酔いに注意の案内がされた。
作中での撮影者が途中でいなくなるが、別の人が撮影役を引き継ぎ進行する。
終始、完全なカメラ視点の映像で構成されている。
話の流れ(うろ覚え&ネットで補足)
「クローバーフィールド/HAKAISHA」のオチまでのネタバレになります。まだ観ていない方はご注意ください。
- オープニングは、暗号名“クローバーフィールド事件”に関連するビデオとして映像が流れる
【以下、ビデオカメラ(を持った人)の視点で進む】
- 若者たちがロブ(主人公)のサプライズパーティをしている
- ロブとその恋人のベスが喧嘩をして、ベスはマンハッタンに帰ってしまう
- 突然の轟音、飛んでくる自由の女神の頭
- 人々はパニックで逃げようとするが巨大なモンスターが襲う
- ロブと友人3人は地下鉄の線路でベスがいるマンハッタンに向かう
- 巨大モンスターから産み落とされた小型モンスターに襲われる
- 友人の女性1人が負傷するも軍に助けられ無事保護される
- 負傷した女性は隔離され、その後突然内部から爆発して死亡(モンスターのウイルスによるものと思われる)
- 軍はマンハッタンを焼き払うつもりと知る
- 残された3人はベスを助けにマンションへ向かい、崩壊寸前のマンションからベスを助ける
- その後軍のヘリに救出され、搭乗人数の関係で3人(ロブ、ベス、撮影者)と1人(友人女性)に分かれて飛び立つ
- しかし、ロブの乗ったヘリは巨大モンスターに攻撃され墜落、セントラルパークに落ちる
- これまで撮影してきた撮影者が巨大モンスターに襲われ、ロブとベスは地面に落ちたカメラを拾いトンネル状の物陰に隠れる
- モンスターとマンハッタンを焼き払うための戦闘機の音が聞こえ、屋根が崩れてカメラと一緒に2人が埋まる
【場面が変わり、事件の1ヶ月前の映像】
- 主人公と恋人のデート中の撮影、空から隕石のような物が降って遠くの海に落ち、水しぶきが上がる
前作のあらすじを思ったより長く書いてしまったけど、次に今作の流れを。
10 クローバーフィールド・レーン
映像の特徴と前作との共通点
前作のようなビデオカメラ視点の映像ではないが、主人公ミシェルの一人称視点で物語が進む。
1人の視点からしか物語が見えないので、次に何が起こるか予測ができない点は前作と同じ。
話の流れ
「10 クローバーフィールド・レーン」のオチまでのネタバレになります。まだ観ていない方はご注意ください。
- 田舎へ車を走らせるミシェルは、何かにぶつかり横転してしまう
- 気づいたら密室で監禁されているミシェル。
- 知らない男(ハワード)が扉から入ってきて、「ここは自分が用意したシェルターで、外には出れない、外の人間はみんな死んだ」と話す。
- シェルターにはもう一人の男エメットがいて、高圧的なハワードに対し愛想もよく、ある程度親しくなる
- ハワードに対し不信感が拭えないミシェルは鍵を奪い脱出しようとするも、外に普通の状態じゃない女を目の当たりにし、一旦はハワードの言葉を信じる。
- ハワードはミシェルに妻と共に出て行ったメーガンという娘の話を度々するなど、少しずつ打ち解け3人の共同生活が続く。
- ある時エアフィルターが停止し、再起動するためにミシェルが、女性ならばなんとか通れそうな通気口を通り動力室へ向かい、そこで見つけたものでハワードに疑惑を感じる。
- ハワードは危険だと判断し、ミシェルとエメットはシェルターからの脱出を決意し、手に入るもので簡易のガスマスク付きの防護服を作り始める。
- 製作にハサミやカッターを持ちだしたことでハワードが2人を問い詰め、エメットがミシェルをかばう嘘をつき殺される。
- ミシェルは防護服を完成させるが、ハワードに見つかってしまい咄嗟に逃げだす。殺されそうになりながらも、なんとか防護服を着てシェルターから脱出する。
- 外にはハワードのトラックと外にいた女の車が置いてある。
- 鳥が飛んでいるのを見て、防護服が必要なかったことに安心するもつかの間、火の付いたシェルターが爆発する音と車の盗難防止ブザーに引き寄せられて巨大な飛行物とそこから産み落とされた何かが近づいてくる。
- 納屋に隠れると、ブザーの鳴り響く車がモンスターに揺り動かされる
- モンスターが離れた隙に納屋から出ると、飛行物がガスを巻きながら近づいてくる。
- 防護服をかぶり直し、トラックに逃げこむも飛行物の触手にトラックごと持ち上げられ口のような部分に取り込まれそうになる。
- トラック内に置いてあった酒瓶を使って火炎瓶を作り、口のような部分に投げ込み飛行物を破壊。
- ミシェルは車を乗り換え公道を走る。走り去る際にポストに「10 クローバーフィールド レーン」と住所が書かれているのが映る。
- 車に入るラジオでは「バトンルージュはエイリアンの撃退に成功、避難を求めて向かう人がいる」「ヒューストンは人手が必要で、看護経験者と戦闘経験者は協力して欲しい」と。
- ミシェルが走っている道は、直進がバトンルージュ、左折がヒューストンで、迷わずハンドルを左に切りヒューストンに向かうミシェル。時折雷が光り、空には幾つもの宇宙船のシルエットが映る。
いくつか疑問についての予測など
続編なのか
「クローバーフィールド」シリーズとして、世界観は同じと見ていいと思う。
前作主人公との関わりは全く無いし、前作のモンスターパニック映画に対し、今作は人間同士のスリラー?系なので、話としては全くの別物。
舞台はどこ
前作はニューヨーク市内。
今作は架空の道路「10 cloverfield lane」沿いの農場。
ヒューストンからバトンルージュを繋ぐ「Interstate 10」あたりがモデルか?
前作と今作のモンスターは同じか
見た目は違うが、熊サイズの小型モンスターを産み落とす、内臓が破裂するウイルスを撒くなど、共通点も多いため同じ種族?と見ていいと思う。
モンスターの正体・目的は
不明。
前作ラストシーンより宇宙から飛来した可能性が高くエイリアンという認識でいいと思う。
攻撃性が高いことから目的は地球の侵略か捕食あたりか
飛行物が宇宙船だとしたら知能は高いと思うが、生物のような印象もあるので生態として星間航海が可能なだけで知能はそこまで高くはないとも考えられる。あっても人間程度と予想。
時系列は
不明。
前作、ニューヨークが襲われた日を基準にすると、エイリアンの飛来は約1ヶ月前(1体とは限らないが)。
今作開始時点では、ラジオで避難を呼びかけるような言葉があったように思うので、エイリアンが襲来していて、(ハワードが異変を知って焦って事故を起こしたことからも)テレビなどメディアで一部の人は知っているが全国民に伝わる前。
ニューヨーク襲来直後から物語が始まったと考えられる。
その後、具体的には描かれていないが、シェルター内での遊びの内容や怪我の治りなどから、2~3週間程度をシェルター内で過ごしたと思われる。
追記:一応ちゃんと日付は決まっているようです。
クローバーとエイリアンが別物というのもちゃんと認識していませんでした。
ちょっと他の方が作った年表を拝借。
(画像をクリックすると参照元のページに移動します)
『クローバーフィールド・パラドックス』レビュー イースターエッグ 小ネタ解説 ネタバレあり – 狂気の凶器映画 大行進
ブリトニーとは誰か、どうなったか
ハワードとエメットのいた町で、2年前に行方不明とされた少女。
ミシェルには最初、ハワードの娘メーガンとして写真を見せられていたが、後にエメットからブリトニーだと知らされる。
ハワードと移っている写真や、その写真のTシャツ・イヤリングがあった点、ガラスに内部から「HELP」と(外に向けてHELPと読めるように)逆さに書かれていたことから、ハワードに監禁されていたと思われる。
(ここはHELPが逆さに書かれていて、僕は最初、外から書かれたと思って見てしまってよくわからなくなってしまったけど、実際は助けを求めるために内側から外に見えるように逆さに書いたってことでいいと思う。)
いつシェルターからいなくなり、どうなったかは不明。
血痕があったり、ハワードが過塩素酸(人をも溶かす強酸)のタンクを持っていたことから、殺され溶かされた可能性が高い。
ミシェルは最後なぜヒューストンに向かったのか
避難地のバトンルージュと戦地のヒューストン。
ミシェルは実際にエイリアンを倒しているし、今回ハワードから逃げるために何度か攻撃的な手段に出ているので、やられる前にやる精神を持っており、またハワードの頭を縫う経験もあるので、僅かながら看護経験者としても役に立てる。
以上のことから、エイリアンとの戦闘に協力しにヒューストンに向かったと考えられる。
ベン(ミシェルの婚約者)はどうなったのか
冒頭でミシェルと喧嘩中の婚約者。
劇中では声しか出ておらず、事件後の安否は不明。
追記:クローバーフィールド・パラドックス配信開始に向けて
まだパラドックスは見ていませんが、4作目も完成しているとかしていないとか噂が絶えず、クローバーフィールドが完全にシリーズ化しているみたいなので一言。
1作目のハンディカメラ、2作目の閉鎖空間と、毎回限られた情報源から世界観を垣間見せるのが上手い作りのシリーズだと思います。PRも毎回謎めいていて映画ファンを驚かせる方法で結構好きです。
パラドックスは1作目の前日譚だと小耳に挟んだので、クローバーフィールドについてまた一つ謎が解けそうですが、(サメのパニック映画「JAWS」じゃありませんが)全容が見えると途端に恐怖や興味が薄れてしまいそうです。
JJエイブラムス作品は謎の全容が見えるまでが非常に面白いので、これからも少しずつ事件をチラ見せしていって欲しいですね。
この記事を下書きしておいたお陰でいい感じにおさらいができたので、また関連性などを見つけられたら楽しそう。パラドックス見て面白かったらまた感想を書くかもしれません。
コメント